この生きてきた時間

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小学校1年生。 元々私が通っていた幼稚園は、私の近所の人間が多かった。 だから自動的に、その人達とも小学校が一緒だ。 私が引っ越しをしたり、その人達が引っ越しをしない限り。 私たちの頃の小学1年のクラス編成は今では珍しい3クラスだった。 その中で私は1組だった。 幼稚園の時から友達がいない私だったから、小学校で友達ができるか心配だった… 人見知りはしない方… でも自分から話をかけるという事はできない。 特に、初対面。 そこに自分の友達がいたらまた別。 それだったせいか、私のクラスの印象が、もの静かで、というか…暗い。 という印象だったらしい。 特に何がうまい。とか、勉強ができる。とかなかったから注目はされなかった。 私にはそれで十分だった。 一人の時間が嫌いではないので、別に一人でいるのは苦ではなかった。 でも…それは唐突に始まった… それはある人の一言。 『こいつに触ったら、呪いがつくぜ!』 私には理解ができなかった。 呪い?呪いなんて特殊な物は、一切持ち合わせていない。 私がこう思っていても、その人たちには通じない。 終わるどころか、悪化するばかり。 毎日毎日学校に行く事が、私には苦痛だった。 …早くこの騒動がやまないかな… これが私の最大の願い。 これが叶ってさえくれればいい。 でも、叶うはずがない。 毎日毎日学校が、終わって泣いて帰らない事はなかった。 その日あった出来事を母親に話す。 それが私の日課になっていた。 その衝動がやむことはなく、私達は2年にあがった。
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