『Doll House』

6/42

65人が本棚に入れています
本棚に追加
/469ページ
「褒め言葉……だよね。ありがとう」 お姉様は私に笑いかけると、手を取ってひざまずく。 「我等が『箱庭』の世界へようこそ、『飴屋ほたる』様。貴方は66番目のお客様です」 「え?」 「私は『案内役』の花屋敷と申します。さあ、こちらへ」 「はい?」 花屋敷さんは立ち上がり、私の手を引いて歩き出す。 披露宴会場のような豪華さがあるホールを進み、私は奥の壇上に上らされた。 何だこれ? そうか、夢か。 でも随分リアルだなあ。 『ハナヤシキ』サンとか知らないし。 もういいや、考えるのメンドクサ。 で、何で急に照明消えるの? で、ドラムロール? 続けてサーチライトのように、スポットライトがはしゃぎ回る。 私は何かの賞でも取ったの? 「Lady’s and gentleman! 新しい『箱庭』が用意されたぞ! 今回のOwnerは彼女、『飴屋ほたる』だ!」 巻き起こる歓声。 暗闇を照らすライトが、動きを止めて私を照らす。
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加