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流石に風呂に入る勇気もなく、着替える気力も湧かず、そのまま床についた。
朝になり、起きた時に、ズボンの左ポケットに何かの感触がした。
取り出すと、停止ボタンを押し忘れて、録音しっぱなしだったICレコーダーがあった。
もしかしたら、あの男の声が入っているかもしれない。
机にあるイヤホンを取り、すぐに再生ボタンを押した。
本来目的である、友達との会話は無視、早送りで、男の声がする場面にたどり着いた。
「開けろよ」
あの声だ。低くて、少しこもっている声。
「開けろよ」
「開けろよ」
「開けろよ」
「開けろよ」
「開けろよ」
それから、その時は聞いたことがなかった声が入っていた。
「録ってんじゃねぇよ」
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