アイデンティティ

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  奇抜なファッション身に纏い 明らかに身にあまる振る舞い 皆に構って欲しい訳じゃない 人より目立ちたい訳でもない 何千何万何億という人の中から わたしを見つけ出して欲しくて 認めてくれる人に出会いたくて かえって人を寄せつけなくさせている そんなこと当の初めから気付いている ただこんなわたしを救い出す 救世主をひたすら信じていた 普通なわたしでいるならば 誰もわたしに目もくれない だから外から叫んでやるの これはわたしからの黄信号 はやくしないと点滅が止まり 警告から真っ赤な色になって わたしという存在が薄れゆき 透明人間のように消えてゆく 言葉にするにはもどかしいから こうして今日も街中で存在主張 ちっぽけなわたしという人間 だからこそ答えを導き出した ちっぽけなままでいたくない  
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