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校舎の窓
広いグランドが見える
私は独り深呼吸…そしてため息
この学園での未来に
希望を持っていた昨日。
期待もできないような現実に
嫌気がさす
私は独り
でも夢を諦めたわけじゃない
チャイムの余韻も消えた
独りの世界から解放され
現実は目まぐるしく変化していく
みんなわかってるんでしょう?
窓ガラス割るような
激しい感情
そんなんじゃない
気づいてなかった
今気づいた
はじめから私は自由
私の夢は簡単に言葉に
できるようなものじゃない
それだけなのに
わかってくれないからと
友達を傷つけ
教師を傷つけ
親を傷つけ
自分自身を傷つけては
後悔の涙
その繰り返しだった
本当はわかってほしいなんて
思ってない
この状態から解放してほしかった
実態のない
ただ心の中に描いただけの夢
感情に支配されてた
16歳
小さくて大きな夢
2年後
私は18歳
制服を脱ぎ捨て
自由に生きはじめた16の私
あの時の気持ちは
変わらない
劣りたくない
負けたくない
「高校中退」
周りから見放されてきた
でも戻ろうとも
戻りたいとも思わない
絶対に振り向かない
16歳の私に語りかける
私ならまだやれるはずだって
夢を達成するために
なんだって犠牲にしてきた
でも
この希望だけは
捨てられない
これを捨てたら目的を失い
また道に迷うだけ
邪魔なんてされたくない
わかっていた
わからない振りしてた
そう
覚悟
覚悟さえあれば
私はいつでも自由
夢はふくらんでいくばかり
割れて壊れることはない
夢が叶うその瞬間
待ちきれない
その年、その季節、その瞬間に
むかって歩き始めた
今までのぼんやり過ごしていた時間
取り戻すために、早足で
強く心に描いた
そのはずの夢
信じて
私ならできる
その瞬間から
私を中心に世の中は変わる
灰色のひび割れ古びた校舎に
もたれかかる
ここに来るのも
この制服を着るのも最後だ
私は強くなる
絶対に叶えてみせる
決意をこめて壁を叩き
歩きはじめた
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