15人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな中、僕は同じクラスの子に恋をしていた。
『ジュン』という子だった。
僕と一番に仲良くしてくれた。
僕のことを心配もしてくれた。
母さんみたいに優しかった…。
ジュンに本気で頬を叩かれたときは、凄く痛かった…。涙が溢れ出た。ジュンに、ぎゅっと抱き締められたときには、ジュンの温もりを感じた。思わず、僕自身の口から「ジュン…」と言った。ジュンがとても愛おしく思えていた。
しかし、学校の生活にも慣れてきた頃、僕はクラスの友達から、このロボットについての、ある疑惑を告げられる。
それは…
このロボットは本当は、何人もの人を一度に殺すことができる、軍事用のために作られたものだと…。
僕はショックを受けた。
心が空しく怯えた。
即座に教室から駆け出し、父さんに電話をした。
「もしもし…」
「おう!さとるか?どうしたんだ?」
「このロボットは、軍事用に開発されたロボットなんだろう?」
「そんなはずないだろう!?父さんは、さとるのために作ったんだ。誰がそんなでたらめを言っているんだ?」
「嘘だ…嘘だ…!!!どうせ父さんは…僕なんかより、ロボットの方が大事なんだ!」
「…さとる!?」
「もうこんなロボットなんて…僕は…いらない。」
「さとる…おいさとるっ!」
電話を切るとすぐに、踏み切りへと向かった。
生きることが戦いなら、勝ったり負けたりするのは当たり前。そんなことは分かっている。だから僕は、負けた一人なんだ。電車が来ると線路へと飛び出した。ロボットはバラバラになる。僕は自分の部屋で意識を失う。
最初のコメントを投稿しよう!