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ゴンゴン
ドアを叩く音がする。
パパだ。
「待って、今あける」
「何で鍵しめとくんだ?」
「ひさが仕事に出たら鍵しめなきゃおかしいじゃん」
――16歳
ひさはパパのやってるALCの仕事してて、2人で北千住に家を借りてもらって住んでた。
ホントに安いボロアパート。
確か、梶荘って名前。
お風呂がなくて、ひさとまるで神田川の世界。
あたしは、ひさが仕事に出たらパパが毎日来てくれてパチンコやホテル行ってたから二回風呂に入る羽目になるんだけどね。
「ねぇパパ?優ってかわいい?」
「かわいいねぇ。いい女だよ」
こんなやり取りを何度も交わして、あたしは自分でいい女になりきろうって思った。
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