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――「うゎ~っ!! ぁあああああぁっ」
叫ぶと同時に勢いよく起き上がる碧髪の少女。
それと同時にガツンと何がぶつかった。
すると
『痛った~!!』
という叫び声が二つ同時に上がった。
「ってめ、
いきなり叫ぶと思ったらヘッドバッドしてんじゃね-よ!
心配して覗いてやったら、見事にコレだよ!
ったく、そうそう恩を仇で返すなよ!」
そして、顔をしかめて頭をさする薫だが……
「何よ!
あんたがいきなり近くいるから悪いんでしょ!
ってか、何!?
まさか寝込みを襲うつもりだったんでしょ!?
最低よあんた!この薄汚い獣が!!」
すると、少女は体を両手で守るようにしながら叫んだ。
「お前な!
黙って聞いてれば、好き勝手いいやがって!
俺は怪我してるお前を背負って病院に連れてきて、
ずっと看病してたんだぞ?
まずは、そのことに対する御礼が先なんじゃねぇのか!?」
叫びながら、ぷるぷると拳を震わせている。
「はっ? ってか、ここどこ? あんた誰?」
「何、記憶喪失のシチュレーションしてだよ馬鹿かお前?
雨ん中で話したろうが。俺は椿山薫(つばきやまかおる)ってんだよ。
ってか、お前こそ誰だよ?
大体なんであんな場所で血流していたんだよ」
「あんたには関係ないでしょ」
少女は口調を強くして、碧髪と同じ鮮やかな色の瞳でキツく睨みつける。
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