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「なっ!? 関係あんだろ!? 俺はお前と話し、助けた。もう十分関係してんだろうがよ!」
そして、薫は碧髪の少女の瞳に負けることなく睨み返す。
しばらく、続く睨み合い。そして……、
「ハァー、分かったわよ! 一応命の恩人だから、教えてやるわよ。
私の名前は如月棗(きさらぎなつめ)。
とある理由で、ちょっと追っ手に追われて、そのとき戦闘でやられたの。これでいい?」
碧髪の少女もとい如月はそっぽを向き窓に向かって話す。
そして、薫はさらに問い詰める。
「よくないな! その追っ手とやらはなんなんだ?」
しかし、如月は薫の目の前に手のひらを広げて制止する。
「もう…………あんたはこれ以上は聞かない方がいい、
この先を……聞いたらあんたの人生は悲しいものになるから」
如月は下を向いて俯いてしまった。
「ハハッ! 厄介事なら慣れてるぜ。大丈夫だから話してみろよ。」
顔を緩ませて、そう聞こうしたとき。
如月の表情が一変した……、
「笑いごとじゃない!!」
如月は急に顔を上げて、薫をさっきよりも強くキッと濃い碧の瞳で睨む。
「あんたは分かってない……あんたが一体どんな恐怖に首を突っ込もうとしてんのか」
そうして如月は下を向き黙り込んでしまった。
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