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「……はい?」
一瞬時が止まった、かのように思えた。そしてあまりにも間抜けな声で答える。
「やっぱり駄目……かな?」
「あぁ、なんだ。そんなことぐらいだったら全然構わねぇよ」
笑いながら、了承すると同時に西宮の表情も格段と明るいなる。
「ほ……ほんとだよね?さっきみたいな悪戯じゃないよ……ね?」
目をキラキラさせながら、薫に顔をグイッと近づける。
(うっ……近い)
西宮杏奈は顔はおとなしめな雰囲気で、気持ち幼い感じで可愛らしい顔立ちだから、男子になかなか定評があったりする。
なので、実際薫は内心ドギマギしていた。
「あぁ、嘘じゃない。だから、お願いだ。離れてくれ近い」
西宮はハッと気付き、ごめんねと頭を下げる。薫も笑って、いいよと手を横に振るう。
「じゃ、放課後シルクロードで待ち合わせだからね。僕楽しみにしてるから!」
満面の笑みで勢い良く、屋上のドアを閉めていく西宮であった。
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