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「どうだい! 店長こと俺の自信作、ラフレシアパフェだぜ」
店長は胸をはってそう言い切る。
(……凄すぎる何もかも)
薫はあまりのスケールにさっきから唖然としていたが、西宮は違った。
「すすす、凄すぎます!! 店長! 感動して1日でも眺めてたいくらいです。天才ですね店長!!」
西宮の目のキラキラ感が半端じゃない。
むしろレーザービームでも出らんとするぐらいでパフェを凝視している。
「そうだろう、そうだろう。このパフェは俺の人生の中で一番の出来だからなぁ。
ただ、いつまでも眺めてちゃ溶けっちまうぜ。さっさと食いなよ。嬢ちゃん」
さらに胸をはり、ガハハッとたくましい胸筋を張り出している。
「じゃ、いっただきまーす!!」
スプーンを掴み、勢いよく山を崩して、ガッツキ始めた。
凄まじい食べっぷりである。店長はそれを見て、ニヤニヤしながら薫に話かける。
「あんたの彼女。こんな顔して凄い大食らいだな」
ガハハッと豪快な笑いとともに一人爆発した。
「ブッ!?」
西宮の噴火とともに、見頃に薫の顔はクリームで白いキャンパスになっていた。
「そそそそんにゃんじゃないんですよ!椿山くんはただのクラスメートで……、」
慌てながらも、顔を真っ赤にして西宮はもじもじしていると。
「ハイハイ分かったから、目の前の彼氏を拭いてやったらどうだ?」
店長はやや引きつった笑いで、薫の救出を促す。
「わわっ!ごめんなさい!!」
ハンカチで薫の顔のキャンパスを拭き取ると、なんとか人肌が出てきた。
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