-シルクロード-平凡な日常と非凡な衝動

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 それに気がついた、西宮は意外と冷静だった。 「あっ? 本当ですね。さっさと攻略しちゃいますか」  そう言うと同時にスプーンが次から次へと突き刺さりあっという間にパフェがなくなってしまった。 「ごちそうさま! おいしかったです。また連れてね椿山くん」 「その小さな体のどこに入ったんだよ? お前の胃はブラックホールにでもなってんのか?」  明らかな構造の違和感に突っ込む薫だが……、 「さて、店長さん! 会計お願いします!」  見頃にはぐらかされてしまった。 「会計はパフェ一品で2580φになります」 (は……!?)  あまりのパフェの高さに驚愕する薫だったが、 「あのー、足りないようだったら僕も出しますよ」 「あぁ、ごめんな」  なくなく足りない分の料金を出してもらった。 「気にすることないって!こんなこともあろうかとお金はちゃんと入れてきてたんだから」  エッヘンと胸を叩く西宮だが、 (俺って……信用されないな) と勝手落ち込んでしまった。  お金を店長に渡し、 「毎度! また来てくれよな!!」  ガハハッと笑って割引券をくれた。 薫はそれを西宮に渡した。 「僕絶対また来ますから!」 西宮はそう告げて、2人は店の扉を開けて出ていった。
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