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足下を揺るがす爆音とともに、悲鳴が聞こえ、こちらに人の波が流れてくる。
「何なんだ!? ……一体! 事故か?」
「分かりません。でもこの近くみたいです。僕たちも早く非難しないと……、」
そう言い終える途中だった。
「わりぃ。西宮は危ねぇから、先に帰っててくれ」
薫は西宮の肩をポンっと叩き、走り出す。
「えっ……ちょっと、危ないよ!」
そう叫ぶが既に薫は声の届かないところまで走り出していた。
「椿山くん……、」
――薫は人の流れに逆らい、走っていく。
(西宮には悪いが、巻き込む訳にいかないからな……、)
唇を噛みながら、走るスピードを速めた。
(それにしても、一体なんだよ。マナの暴発か、或いは上級魔法の詠唱失敗による、空間の歪みか、それとも……、)
そうやって、思考を張り巡らわせながら、走っていると目の前に信じられにものが現れた。
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