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「うぉー!! 負けるかよ~!!」
薫は更に魔力を込めて、対抗するが、力の差は歴然で獄炎は漆黒に蝕んばれていった。
「さぁー、死ねよ! おい、さっきまで威勢はどうしたよ!」
夕凪は人が変わったように、言葉を強くする。
薫はこの絶望的な状況に焦っていた。
(……やべぇ、まだかよおい。早く……)
『ダークマター』が進行していき、魔法陣にたどり着いこうするそのときだった。
「さあ、終わりかよ餓鬼!?」
「……あぁ、お前がな」
薫は呟くと同時に魔法陣の後ろにいた本人が歪んでいき消えた。
「なっ!?幻術だと!?」
夕凪は瞳孔が開き、驚いている。
「そっ!せーかい。でもちっと遅かったかな」
薫はなんと夕凪の背後に回り込んでおり、ニシシッと笑っている。
「クッ、いつの間に!?」
「あんたが、馬鹿デカい爆発を起こしたときから幻術と入れ替わって煙に紛れてずっと移動してたんだよ」
「くっ、だが貴様に何が出来る。この『ダークマター』を壊さない限り私に触れることは出来ないぞ!」
焦っている夕凪と裏腹に薫は余裕をもっている。
「なに、言ってだよ。お前は終わりだよ」
そう告げると同時に杖を向け唱えた。
「汝我を包み込め『守護結界』!!」
唱えると同時に夕凪の周りを光が包み、そして『ダークマター』を打ち消した。
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