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「俺も随分くらっちまったが。
終わりだよ……餓鬼。
もうてめぇは終わりなんだよ」
夕凪は余裕のある低い声でそう言う。
(……やばい。アレは何かが違う。異質過ぎる)
薫は膝がガクガクと震えるのを押さえながら、目の前の現実を観ている。恐怖しているのには理由がある。
まず、その容姿。
全長は見上げても首を痛めそうな大きさで
ゆうに4mを超えている。腕にはブレードとライフルを備え、パイプで覆われている。足にはスプリングのようなもの。四肢を繋ぐ胴体は重厚感のあるボディで中心にはコアと思われる蒼緑の光が灯っている。
そして、顔は目が赤く光り、口は猛獣の如く開きこの世のものとは思えない姿をしている。
(……駄目だ、アレに先に動かれては確実に死ぬ)
薫は生命の危機を直感した。そして、杖を構えて地面に魔法陣を描く。
(……一撃で決める!)
『不死鳥の羽、ケロベロスの牙、翼竜のうろこ、閻魔の烙印、
全てを灼き、全てを滅せよ!
ヘルフレイムセイバー!!』
夕凪と魔導機械の天上に魔法陣か敷かれ、真紅の剣が出現したと同時に振り落された。
夕凪は迫り来る剣を見て命令する。
アーティファクト
「『魔導機械』あれを消せ」
魔導機械はギギッという音を立てて、上を向き標準を合わせる。
そして、ビュンっという音がしたかと思うと、目から赤い閃光が出されて
『ヘルフレイムセイバー』の切っ先からどんどんと飲み込んでいく。
全てを飲み込むと空中で爆発を起こして消えてしまった。
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