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そして……その時はやってきた。
耳元でガッシャンという音が聴こえた。
フシューフシューという何か熱を逃がす音と、グワングワンとエンジンのタービンのような音が聴こえてきて、自分の死を明確に実感させた。
「餓鬼。さすがに最後に一言ぐらいは言わせてやるから。早く言えよ。もう私は気が長くないですよ?」
皮肉にも、敵に情けをかけられて、最後に薫は呟いた。
「くそが………くた……ばれ」
「そっか、残念だよ。
じゃぁ、死ね」
夕凪は静かに破壊を命令する。
ウィィンという高速で回転する機械音ともに、腕が振り上げられた。
薫は全てを受け入れ目を瞑った。そして、目の裏は漆黒の闇に覆われた。風を切り、振り落ちる腕の音が聴こえる。
刹那、ドッカーンと言う音が聴こえて、大地が揺れた。
「Goodbye」
絶望の一振りのあと、夕凪は終演を告げ、こんなものかと落胆の意を浮かべた。
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