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下手くそな絵
大学進学を期に住み始めたボロアパートは、玄関のドアの鍵までボロだった。
「カズ兄、ママがシチュー食べてって」
このガキはノックもせずに、玄関のドアを開けて、俺の部屋に土足でズカズカ入って来る。
俺は差し出された鍋を受け取りながら
「あぁ、サンキューっておい!いつも靴脱げって言ってんだろっ」
「だって、くつ下汚れるのイヤだもん」
「なっ!人の家をゴミ屋敷みたいに言いやがって・・・、このヤロ~!!」
「キャー(笑)」
ガキをヘッドロックして、頭グリグリ。
「キャー、キャー、ごめん、ごめん!(笑)」
やっと離すと
「は~、もう少しでカズ兄の加齢臭が移る所だよ」
「俺はまだ22だ!」
「中学生からみたらカンペキオヤジだよ(笑)」
「テ~メ~!!!」
俺が捕まえようとすると、キャー、キャー、笑いながらドアから逃げてった。
ガキはこのボロアパートの大家の娘で、隣に住んでる。勝手になつかれてるが、妹のいない俺は悪い気はしない。
講義を聞かずに寝ている俺の肩を誰かが叩いた。
見上げると、笑顔のエリがいた。
「カズ君、今日学校終わったらどこ行く?私カズ君ん家見てみたいなぁ」
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