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10分くらい、そこにいたと思う。
でもオレにはもっと長く感じたその時間中、ずっと板を見つめたままヒロは立ち尽くしていた。
「…シン……」
どうすることもできず、ただ斜め後ろで見ていたオレに…
絞り出すような声でヒロが声を掛けてきた。
「ん…?」
どうすればいいか分からなくて、背中を見せたままのヒロから少し目をそらして返事をした。
「お前…」
「………」
ヒロに嫌われたかもしれない…。
そんな風に思いながらゆっくりヒロへ視線を向けた。
「お前、受かったじゃん!!マジおめでとう!!」
「え…あぁ、うん…」
そこでオレが見たヒロは、こっちを向いて嬉しそうに笑いながら腕を広げていた。
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