-特色化選抜-

6/8

42人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
      10分くらい、そこにいたと思う。   でもオレにはもっと長く感じたその時間中、ずっと板を見つめたままヒロは立ち尽くしていた。       「…シン……」       どうすることもできず、ただ斜め後ろで見ていたオレに…   絞り出すような声でヒロが声を掛けてきた。       「ん…?」       どうすればいいか分からなくて、背中を見せたままのヒロから少し目をそらして返事をした。       「お前…」   「………」       ヒロに嫌われたかもしれない…。   そんな風に思いながらゆっくりヒロへ視線を向けた。       「お前、受かったじゃん!!マジおめでとう!!」   「え…あぁ、うん…」       そこでオレが見たヒロは、こっちを向いて嬉しそうに笑いながら腕を広げていた。      
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加