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帰りのバスで気持ちをくもらせたまま、ヒロと話してた。
ヒロはずっと笑ってて、オレの合格を喜んでくれた。
「…ヒロ…」
「あ?なに?」
「オレ…」
「…シン、気にすんなよ!オレは一般で絶対受かってやっから!」
「あ、あぁ…そうだな。」
はたから見たら…オレが落ちて、ヒロが受かったように見えただろう。
オレは…
傷ついてない訳ないヒロに、無理に笑うヒロに…
何も言ってやれない。
むしろオレが励まされてるし…。
「ヒロ、オレ…」
言葉が…何も浮かんでこない。
「…シン…?」
下を向いて黙ったままのオレを、ヒロは心配そうに覗き込む。
そのときオレは…
泣いていた。
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