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国旗掲揚が終わり、解散の命令が掛かると雄一の横から間の抜けた声が聞こえてきた。
「今日の仕事何やったっけ?」
岸本があくびをしながらこっちを見ている。
「今日は戦車の車検整備やな」
雄一が答える。
「あ~、そうやったな!」
と言う岸本に苦笑しながら相づちを返す。
昔から岸本は人の話をすぐ忘れる。今日の仕事内容も昨日の内に整備班長から指示されているのに。
「車検かぁ。あの戦車、姿勢おかしいんやろ?」
岸本が雄一に聞く。
「そうやな。オイル漏れらしいわ」
「げ~。マジで?最悪やん」
整備工場に向けて整備に関する話をしながら歩く。ごくごくありふれた日常。
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