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適度に休憩を取りつつ午前中一杯かかってオイル漏れを直し、オイルまみれの手を洗う雄一達。他のDSの隊員達も各々の整備を止め手を洗う。
「今日の昼飯なんやったかな?」
岸本が聞く。
「今日は…カレーやな。」
雄一が答える。
ふと雄一の耳に聞き慣れない音が。
(なんやこの音)
と、その瞬間!耳をつんざく轟音に工場が震える。
聞き覚えがあった。演習の時、泥だらけで地面に這いつくばる雄一を小馬鹿にするように飛んでいた戦闘機の音にソックリだった。
手を洗っていた隊員達は慌てて工場の外に出て空を見る。雄一も空を見上げる。
頭上を黒い影が轟音を響かせて超低空を飛んでいく。
(スゲー!戦闘機やな。1、2、3機か。空自かな?)
雄一が考えていたその時遠くから爆発音が聞こえてきた。
雄一の所属する駐屯地は、演習場が隣接しているため爆発音は毎日のように駐屯地に聞こえて来る。
しかしこの爆発音はいつもと全然違う方から聞こえてきた。
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