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『既に領空を侵犯している』
(前代未聞だ。管制は何やってんだまったく。)
心の中で悪態をついていると、後部座席から小西竜也が話し掛ける。彼の襟には1等空尉の階級章が付いている。
小西と神林は航空学生の同期だ。
「まぁまぁ落ち着けよ。どうせミグだろ。さっさと追っ払って帰りましょうよ。神林3佐殿」
どうやらいつの間にか愚痴が口に出ていたようだ。
「そうだな。さっさと行くか。」
そう言うと神林はエンジンに点火した。5つあるエンジンに順番に点火していく。Gがかかり体がシートに押し付けられる。
(そうだ。俺は栄光あるイーグルドライバーだ。)
神林は浮き上がる感覚を体に感じながら自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着けた。
神林・小西機を先頭にF-15が2機、空へ飛び立つ。
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