アラート

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雲一つ無い快晴の中、銀色の鷹が2機飛んでいる。アフターバーナーを使用している為、音速など越えている。しかし何もない空ではまるで速度を感じない。 そうしてる間も無線が次々と入ってくる。 『小松からもスクランブルが上がる』 『領空侵犯は4機』 「そろそろ接敵だ」 後ろから小西がしゃべりかける。 F-15は単座F-15Jと復座F-15DJがあり復座の場合は前が操縦者、後ろが観測員となっている。 「戦術電子スコープ、オン。マスターアームスイッチ、オン」 小西が淡々と手順を踏んでいく。それが神林にはこれはただの訓練ではないかと錯覚させる。 しかし、そんな錯覚も神林の目に飛び込んで来た光景が即座に否定した。
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