アラート

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神林は兵器パネルから機関銃を選択すると、操縦桿の赤いトリガーに人差し指をかけた。 (これは戦争なのか?ただのスクランブルなのか?分からない…) 指が震えていた。 (俺は厳しい訓練を積んでいながら、どうせ戦争にはならないっていう油断があったのかもな) ミグはFー15の追尾から逃れようと、激しく機動する。 しかし機体の性能差、神林の卓越した技量が逃さない。 (だからこんな時にトリガーすら引けない) 様々な思いが頭をよぎる。するとのんびりとした、小西の声が聞こえた。 「お~い。サッサと追っ払って帰ろうぜ。当たっちゃったら防衛大臣なり総理大臣なり一緒に謝ってやっからよ。」 これを聞いて神林の頭にあった色んな思いが吹き飛んだ。 (こいつの脳天気さにはいつも助けられる。)
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