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夜の港に次々と大型の船が入港してきては沢山の人を乗せ出航していく。
乗船する者たちは皆、頬は痩け、俯きがちで無駄口をたたく者はいない。
彼らの手には一様に同型のライフルが握られている。
その時一人の男が塔に向かって走ってきた。塔に入り李に敬礼をする。
「李大佐!最後の船が入港いたします!」
「わかった。すぐ行く。」
李は返事をするとそばにある帽子をかぶる。
すると制服の男は言った。
「李よ、頼んだぞ。我が国100年の計だ。偉大なる総書記様の為に」
李は何も言わず頷くと、強風が吹き荒れる戸外に出て行った。
(偉大なる総書記様か…。)
李は自嘲気味に薄く笑うと、漆黒の闇に消えて行った。
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