大学入試と二人の乙女

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すでに、リビングには家族みんな揃っている。 って、今日は休日だから当然だよな…… すると、親父が新聞を読みながら言った。 「お前勉強は大丈夫なのか? 明日は入試だろ?」 「ああ、大丈夫だと思うぞ。復習は9割終わったからさ」 「お兄ちゃん明日入試なんだ! 頑張ってね!」 明るい声で鈴が言う。 鈴に応援してもらったからには、絶対に受かるしかない。 鈴は俺にかなりベタついていて、いつもよって来る。 それが可愛いらしい! 自慢の妹なのだ! そんな妹が応援してくれてるんだから、頑張らない訳にはいかない。 食事を済ませた俺は、早速期待に答えるために自分の部屋に戻ろうとした。 すると、テレビにとある人気アイドルが映っているのが見えた…… そのアイドルを見た親父は、少し鼻の下を伸ばしにやけている。 「可愛いなぁ、瀬川由乃ちゃんは……昔の母さんにそっくりだな」 そこには俺より年下の娘が映っていた。 名前は聞いたことがある。 『瀬川由乃』、今大人気のトップアイドルである。 確か、今度高校2年になるんだっけな…… 歳は多少近くても、俺とは次元が違うよな…… 「冬馬もこれぐらい可愛い彼女作れよ!」 「いや、いいよ……別に彼女とか興味ないし……」 実は、俺はそういう恋愛感情を抱いたことがあまりない。 何度か告白された事はあるのだが、全て断ってきた。 多分、俺は一生結婚出来ないだろうな…… 俺はそのまま自分の部屋に向かった。 この時の俺は知らなかった。 明日このアイドルに会うことになるなんて……
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