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心的外傷の研究は、身の毛のよだつような恐ろしい事件の証言者となることである。
事件が天災であるときには、証言者は被害者に素直に同情することができる。
しかし、人災の場合には、証言者は被害者と迫害者の争いのなかに巻き込まれる。
加害者の側にたつことは楽である。
加害者は、第三者に何も手出しをしないでくれというだけである。
被害者のほうは、苦痛の重荷をいっしょに背負ってほしいという。
以上は、ジュディス・ハーマン『心的外傷と回復』からの抜粋です。
被害者は、自力では脱出できない環境にいます。
しかし、救いの手は来ない。
第三者は、隠鬱で感情的な被害者より、明朗で冷酷な加害者を信じるのです…。
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