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「……………何?」
視線を感じて起き上がるものの、至近距離からじっと見詰められ、耐えきれずに俯いた。
俺のバカ。自ら顔を近くに寄せてどうすんの。
落ち着き無く目線を下にさ迷わせていると、顎を掴まれて無理矢理顔を上げさせられる。
「ちょ…っなん…」
「高嶺さ、俺の事苦手でしょ」
言い当てられてぎくりと身構える俺。
「…なんで」
「俺と話してる時絶対目合わさないから。
あとちょっと困った顔してるから」
にっこりと笑ってそう言った高科は、掴んでいた俺の顎をおもむろに引いた。
「………っむ?」
一瞬。
噛まれた。
唇を。
高科に。
「高嶺ってわかり易いよ?
思った事結構すぐ顔に出てるから、気を付けた方が良いかも」
何事も無かったかのように言葉を紡ぐ高科。
絶句する俺。
「聞いてる?高嶺」
頬をぺちぺちと叩かれて、ハッと正気に帰った。
「いや、お前今何した。
噛み付いただろ。何してくれてんの何なのさっきから。
何の罰ゲームだよ」
「罰ゲーム?」
「いきなり付き合えだの好きだのって。俺男。お前も男。
普通に考えろ。罰ゲーム以外の何だっつーんだよ」
「………………」
?
考え込んでる?
なんで?
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