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「そうか、高嶺には冗談に聞こえたのか」
暫く考え込んでいた高科が、ぽつりと言った。
それから何か思い付いたようにぽんっと手を叩く。
「じゃあこうしよう。お試しって事で」
え。何が「じゃあ」?
お試しって何の?
本当に突然過ぎるだろ展開が。
疑問符とよくわからない憤りだらけの俺の顔を見て、高科はにっこりと笑って言った。
「俺昔から男しか好きになれないんだ」
「え…」
「で、高嶺の事入学式の日からずーっと好きだった」
「はぁ…」
「そんな訳で、俺の本気さを知って貰いたいから、まずはお試しで良い。俺と付き合って」
なるほど。
いや、待て騙されるな俺。
なるほどじゃねぇよ!
何がお試しって…お前(高科)のお試しかよ!
俺は普通に可愛い女の子が大好きで二次元の女の子に囲まれた主人公とかに憧れを抱く健全な男だ。
何が悲しくて同級生のデカい男と付き合わなきゃいけないんだ。
「あ、別に痛い事とか高嶺が嫌がる事はしないから大丈夫」
何だ痛い事って!!
しかもアレか。
なんか俺が女役みたいな感じになってんのかコイツの中では。
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