苦手

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そんなヒーロー漫画の主人公みたいなのが本当に居るとは思わなかった。 裏表の激しい性格なんじゃないか、とか勘繰ってみた時期もあったが、別にそんな事は無さそうだ。 自分の性格が捻くれているのはわかっている。 が、俺はあの手のタイプが得意じゃない。 そう、得意じゃないのだ。 大切な事は2度言わせて貰う。 どう接したら良いのかわからないから、得意じゃない。 なのに何故だ。 今俺の目の前にはその苦手な男が立っている。 あまりにも突然登場したコイツに驚いたあまり、 さぁいざ食うぞ! と言う態勢だった俺の手から床へと箸が転がり落ちる。 だってここ食堂。 奴はまるでここが陸上用トラックであるかのようなスピードで駆け込み、キョロキョロと辺りを見回したかと思うと、まっすぐ俺の方に来た。  
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