27人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなヒーロー漫画の主人公みたいなのが本当に居るとは思わなかった。
裏表の激しい性格なんじゃないか、とか勘繰ってみた時期もあったが、別にそんな事は無さそうだ。
自分の性格が捻くれているのはわかっている。
が、俺はあの手のタイプが得意じゃない。
そう、得意じゃないのだ。
大切な事は2度言わせて貰う。
どう接したら良いのかわからないから、得意じゃない。
なのに何故だ。
今俺の目の前にはその苦手な男が立っている。
あまりにも突然登場したコイツに驚いたあまり、
さぁいざ食うぞ!
と言う態勢だった俺の手から床へと箸が転がり落ちる。
だってここ食堂。
奴はまるでここが陸上用トラックであるかのようなスピードで駆け込み、キョロキョロと辺りを見回したかと思うと、まっすぐ俺の方に来た。
最初のコメントを投稿しよう!