零爾.護るとは

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俺達はとにかく勉強を続けた。 雨雫姫がどう思っているのかは分からないが、俺は姫様を馬鹿にした奴等を見返してやりたかった。 「あ…また雨……。もう梅雨…なのですね……」 「そうですね。…今度一緒に蛍でも見に行きましょうか」 「ほんと?」 「ほーんと。俺が今まで嘘ついたことあった?」 「ううん、無い!」 笑顔も見せてくれるようになった。 俺達は確かに成長している。 「そういえば…宮中でも、何か…行事があったような……」 「あぁ、宮中の小川に舟を浮かべて蛍を見るんですよね。その時は和歌も詠まなくては。腕の見せどころですよ!」 「私…そんなに歌…上手くないわよ」 「上手いです!」 言いながら、俺は姫様が今まで詠んできた歌を思い浮かべる。 うん、どれも完璧だ。
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