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「龍虎、貴方宮に行かなくていいのですか?」
「へ…?」
「寝坊ですよ」
雀が鳴き、陽射しが強いことに気が付くと、俺の頭は一気に覚めた。
「なんで起こしてくれなかったんだ!?」
「何度も起こしましたよ。それよりも3年後には元服も控えているのですから、もっと自覚を…」
「行って参ります!!」
「あっ、こら、朝の食膳は?」
「今日はいい!」
母の小言を聞いている間に支度をして宮へ向かう。
俺は今日から同い年の姫の護衛に就くことになっている。
宮中ではあまり評判が良くないらしい…。
いつか出世して大臣になりたいんだけどなぁ…。
とにかく走った。
宮中に参内すると、お偉いさんのじじいに随分と怒られた。
まだぶつぶつと言っていたが、なんとかその姫の父親、藤原道長様の所まで案内してもらった。
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