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「大した後ろ楯が無いんだから、帝に嫁ぐことも出来ない。学や琴の才能や器量も無いし…本当なんで生まれてきたんだい?」
お前に、何が分かるんだ。
「彰子姫様、それはッ…!」
思わず掴みかかりそうになった俺を小さな愛らしい手が引き留めていた。
泣いているのかと思ったが必死にそれを耐えている様子で、しかし瞳は鋭く強い意思が宿っていた。
「彰子姉様…私達はおいとまさせていただきます……」
「姫様、どうして……!?」
「………駄目よ…早く…帰ろ?」
いつになく強気な彼女に引き摺られるようにして部屋まで戻っていった。
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