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「ふん……〝古代の魔竜〟とは言っても、こんなものか。」
俺は剥ぎ取り用の刀を取り出し、依頼主に提出する為に証拠品…魔竜の皮を剥がし始めた。
…すると。
(助け――)
「……?」
不意に何か声のようなものが聞こえたようだが…俺はそれを気にも止めず作業を続けていく。
だが…。
(助けてーっ!!出してーっ!!)
「声…?」
…今度ははっきりと聞こえた。
高いキー、声のトーンからして恐らく…女だろう。
別に、自分以外の存在がどこでどうなろうと知った事ではないが…わめきちらされるとイライラする…。
俺は耳を澄まし、声の発生源を探した。
(助けてーっ!!)
「………腹、だと?」
どうやら声は竜の腹の中から聞こえてきているようだ。
俺はイライラしながら奴の腹に刀を突き立て、切り開いた。
「………ッ!?」
「やったーっ!出られたっ!!ありがとーっ!!」
よりにもよって…腹の中から出てきたのは身長20cmにも満たない女タイプの使い魔だった。
うるさいハエだ。
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