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どのくらいだろうか…?
確か、それから百年程…経った時の事だが。
行き場を失った俺は魔界各地をあてもなくさまよい歩き…生き残る為には何でもした。
どこかで争いがあれば、必ず赴いた。
必ず戦力的に不利な方に付き、何の感情も抱かず、俺は俺の前に立ちはだかるカス共を殺し続けた。
…そう、全ては…強くなる為だったのだ。
暴力的なまでの力よりも強大なものなど、あるはずが無い。
そう考えている俺にとって、それ以外のものなど無意味だ。
むしろ邪魔でしかない。
そうして旅を続けている内に俺の名は魔界でもすぐに知れ渡った。
…結果として、弱者の味方をしている事で別の雑魚カス共は俺の事をヒーローだ、救世主だなどと称していたようだが…。
くだらないな…煩わしかった。
だから…そのうちの何人かを見せしめに殺してやった。
そうする事で俺は一人になる事ができるのだから。
この時奴らが俺につけた呼び名は――…。
「無慈悲な殺し屋」だった。
なぜか、この呼び名は気に入った。
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