🆕戦国無双

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最近は戦もなく、穏やかな日が過ぎていった。 それは、この佐和山城も例外ではなく、皆、束の間の平和を楽しんでいる。 左近ものんびりと、愛刀の手入れをしていた。 ――と、その時。 「………ん?」 左近の耳に、小鳥の歌声以外の音が届いた。 しかもそれは、だんだんと大きくなってきている。 どすどすと聴こえてくる、不協和音。 左近はそれが何を意味するのか瞬時に理解して、はあ……と溜め息を吐いた。 (また殿の大声が響いちゃいますか……) 半ば諦めモードの左近に呼応するかのように、大きな足音は、左近の自室の襖の前でぴたりと止む。 そして、すぱんと音を立てながら襖が勢い良く開けられた。 「左近! こいつから目を離すなと、何度言わせる気だ!!」 左近の想像通りの三成の怒声が飛び、ひょいと片手を持ち上げられる。 持ち上げられたのは小さな少女で、まるで猫の子のように後ろの襟を掴まれている。 「悪さでもしないよう、首輪でもつけておけ。」 「殿、猫の子じゃないんですから。……ほら、こっちに来い。」 左近がそう言うと、少女は嬉しそうに笑いながら両手を左近へと伸ばした。
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