🆕戦国無双

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「大体、何故環を連れてきたのだ。」 「仕方ないでしょう、あいつは今日一日用事があるんだから。一人にする訳にはいかないでしょう。ほら、環。殿に謝れ。」 父にそう促され、環は頭をぴょこんと下げた。 「ごめんなさいでした、お姉ちゃん。」 「………『お兄さん』だ。左近、少し話がある。」 苦々しく環の言葉に訂正を入れ、三成は左近を呼び出した。 やれやれといった様子で左近は立ち上がり、ぽんっと環の頭を撫でた。 「環、父上はちょいと用事が出来たから、良い子にして待ってなよ?」 「はい、父さま!」 環は元気良く返事をし、左近と三成は去っていった。 一人残った環は、何を思ったのか、部屋から出て庭の方へと歩き出した。 三成の執務が片付くのを待っていた幸村と兼続だったが、ふと幸村があるものを見付けた。 おもむろに立ち上がった幸村に兼続が不思議そうに訊く。 「どうした、幸村?」 「兼続殿、あんなところに女子が……」 幸村が指を差した方向には、確かに小さな少女が屈んで何かをしていた。
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