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さっきまで降っていた雨がやみ、日が差してきた。
やがて窓から見える景色には、きれいな虹が飾られた。
「おぎゃあ!おぎゃあ!」
幸せを感じられる音色。
ここは、名門魔法学校コンスタンツアカデミー。
若い夫婦が我が子の誕生を喜んでいた。
「でかしたメリル!無事でよかった……。
とても嬉しいよ。」
人生で最も過酷であろう仕事の一つを終えた妻を労うゴウキ。
「良かった…。
ねぇ、あなた…。」
若い妻は息を整えながら言う。
「私、がんばったでしょ?」
「あぁ。とても頑張ったよ。
本当にありがとうメリル!」
ゴウキは、メリルの手を握った。
そのぬくもりは、幸せを実感させる。
「かわいい女の子ですよ」
出産をサポートした産婆が、生まれたばかりの赤ちゃんをメリルの横に寝かせた。
「私たちの子供よ。
どんな名前がいいかしら?」
「実はもう、決めてあるんだ。」
「まぁ、もう!?
早く聞かせて下さい。」
コホンと咳払いをして、ゴウキは発表する。
「アイリス。
アイリス=コンスタンツっていうのはどうだろうか?」
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