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一年後…。 「メリル様、お手紙でございます。」 召使いが、メリルに便箋を手渡した。 「まぁゴウキ様からだわ。 あれからずっと連絡がなかったけれど、お元気なのね!」 ¨やぁ メリル。 元気でやっているかい? アイリスももう一歳になるな。早く顔がみたいよ。 この一年で、なんとか六個集まったよ。あと一つなんだが、これが一筋縄ではいかないみたいなんだ。 出来るだけ早く済まして帰るから、心配しないように。 早く済まして君の顔がみたい¨ 「あとひとつ。ゴウキ様…。」 手紙を胸に当て、高まりを抑えた。 「もう6つ集まったとは、さすがお前が連れてきた男だね。」 背後から話しかけてきたのは、メリルの母。 コンスタンツアカデミー創設者であるナディア=コンスタンツ。 「えぇ…残るはあと一つ。 でも最後の一つはあの人だけでは危険すぎるわ! 私もいきます。」 「なんだって!? あの子は、アイリスはどうするんだい?」 メリルは凛とした姿勢でナディアに告げる。 「連れて行きます。 私の娘ですもの、私が守るわ!」 目を丸くしたナディアは、足早にアイリスの部屋へ向かった。 「お母様、足音を立てるとアイリスが起きてしまいます。」 子供部屋には、桃色のベッドが置いてあった。柔らかい布団の上で、幸せそうに眠っているアイリス。 その天使のような寝顔に触るナディア。 「この子は行かせない。絶対に行かせないよ。 もう…意味のないことは終わりにしよう…。」 「何ですって! その意味の無いことにこだわっていたのはお母様じゃありませんか!?」 思わず大きな声を出してしまったメリル。 「う~~。 う~~~~。」 アイリスが寝返りを打った。 しー。 メリルとナディアはお互い向かい合って、人差し指を立てた。 「とにかく絶対に行かさないからね!」 ナディアはメリルの顔をキッと睨んで、自分の部屋へ帰った。 メリルは、可愛らしいおでこにキスをしてそっと話しかけた。 「アイリス、一緒にお父さんのところにいこうね。」
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