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「進なら大丈夫」
「何でそんなこと分かるんだよ…」
「なんとなく」
なんとなくで済ませる流歌の性格が怖い…
「とにかくダメだ!どうしてもって言うなら自分で部屋借りればいいだろ」
「ボクそんなお金持ってないもん…」
もっともな意見だった。
しかし俺はムキになって、どうにか流歌を追い出す方法を色々と考えてしまった。
「じゃあ…」
「ちょっとまって!」
「な…なんだよ…?」
流歌は急に大声をあげて俺の言葉をさえぎった。
もっとも俺にはこれ以上何も思いつかなかったから止められてよかった気もするが…
「こういうときこそ…」
「…こういうときこそ…?」
流歌は何か思いついたようでニヤッと笑い、また大声で叫んだ。
「ジャンケン!ホイ!」
「なっ…!?」
ろくでもないことを考えていたと思っていたが、まさかジャンケンとは思わなかった。
そして俺はとっさにいつもの癖でグーを出してしまい、流歌はパー…
「アハハ!ボクの勝ちだね!」
「まてまて!何でジャンケンなんだよ!それに今のは急すぎだ!」
「決まらないときはジャンケンでしょ?それに、今のがずるいって言うならもう一度してあげても良いよ」
かなり上から見られてる気分だった…
流歌といると絶対に自分のペースが崩れてしまい、何も出来なくなってしまうかもしれない。
そう思った俺はとりあえず流歌に従うことにした。
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