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「キャ…!見たなぁ…!」
俺の『白…』と言う言葉に気づいたのか、木の上の女の子は俺をにらみつけてきた。
ちなみに俺が言った『白』が何を意味するかは言うまでもないだろう…
「スカート着てそんなところにいるお前が悪いだろ」
「だって下りられないもん…」
予想は的中した…
いつもならこんなよく分からない女の子は放っておくのがいいと思うのだが、どうもこの子は放っておけないような気がしてならなかった。
「上って下りられなくなったって、猫かお前は…」
「なっ…!うるさい馬鹿!殴るよ!」
下りられなくなった女の子に何を言われても何とも思わなかった。
それに、そんなことを言われると逆に苛めたくなってしまう。
「悔しかったら下りてこい」
「わかった」
「はぁ?」
冗談で言ったつもりだったのだが…
いったいどうやって下りてくるつもりなのだろうか…
「ちゃんと受け止めてね…」
「えっ…?」
そう言うと女の子は目をつぶって俺の方に飛び降りてきた。
「おい!バカ!」
ドスン!
俺はあわてて落ちてくる女の子を受け止めようとしたが、見事に失敗…
俺は女の子の下敷きになった。
これがこれから始まる出来事の第一歩だった…
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