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「助かった…」
「お、重い…」
「なっ…!これでもクラスで一番軽いんだから!」
「そんな事より早くどいてくれ…」
俺がそう言うと女の子はハッとして、ようやく俺の上からどいてくれた。
しかし、こうして間近で見てみると小さい…
身長は145センチ前後くらいで、さっきクラスで体重が一番軽いと言った意味がわかる気がする。
いったい歳はいくつなのだろうか…
そして、なぜか顔を赤らめている…
見られたのが恥ずかしかったのか、重いと言われたのが恥ずかしかったのか、あるいはどっちも…
「まあとりあえず、助けてくれてありがと」
「自分から飛び降りてきたくせに…」
俺は後ろを向き、女の子に聞こえないような小さな声で文句を言った。
「それより、なんであんなところにいたんだ?」
「この子が下りられなくなってたから…」
「この子?」
さっきまではこの娘の他には誰もいなかった気がするが…
と思いながら、俺は女の子に目を向けた。
すると女の子はいきなりカバンの中に手を入れて、そこから仔猫を取り出してきた。
「どこに入れてるんだよ…」
「仕方ないでしょ…持ってたら落ちちゃうし…それに高所恐怖症だし…」
仔猫を助けるためとはいえ、高所恐怖症の人が高いところに登るものなのだろうか…
俺なら絶対に登らないと言い切れる。
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