第1章 奇妙な共同生活

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「じゃあ木に登らなきゃよかっただろ」 「それじゃあこの子がかわいそうでしょ!」 「はいはい…そうだな…」 「うわっ!冷たっ!」 ずいぶんとテンションが高いというか… うるさい女の子だ。 女の子の発言がうっとうしくなり、その子を放ってさっさと帰ってしまおうかと思ったが… 「いきなり会って、助けてもらった人にそんな態度とる奴がいるか!」 なぜか見捨てて帰ることが出来なかった。 帰ろうとは思ってるのだが、心のどこかで帰るなと言ってる気がしてならなかった。 「…ゴメンなさい…」 「なんだ…意外に物わかりが良いんだな…」 さっきとは対照的に態度が変わって少し焦ってしまった。 「大人だから」 女の子はキッパリと答えた。 自分で大人って言ってる時点で子供だよ! と、ツッコミを入れたくなったが、こう見えて意外に俺よりも年上かもしれない。 そのことを考えて、あえてツッコミを入れなかったわけだが… 「大人って…いくつだよ?」 「14歳!」 それを聞いて俺は呆然としてしまった。 俺よりも3歳も年下なのに敬語も使わない… まあ、相手は俺の年を知らないから仕方ないのかもしれないが… そんなことよりも、14歳でも小さすぎるだろその体は! 「14って…俺より年下じゃねぇか!せめて敬語使え!」 「でも、今年で15歳なんだよ!」 「俺は17歳だ!」 「ウソ!」 「なんだよその反応は…」 女の子の妙な反応に俺はついツッコミを入れてしまった。
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