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「進だ…五十嵐 進」
「進だね」
「って、なんで呼び捨てなんだよ」
「ダメなの?」
3歳も年上の人を許可なく呼び捨てで『ダメなの?』なんて聞いてくるとは…
こいつの親はどういう教育をしてるんだ…
「当たり前だろ!」
「う~ん…でも、進は進だからいいじゃない」
「意味がわからん!」
俺はこのまま流歌のペースに乗せられるのが嫌になって、今すぐ家に帰ろうとした。
「じゃあ、俺はそろそろ帰るから」
「あっ…待って!」
急に呼び止められ帰ろうとしていた足を止め振り返った。
「何だよ?」
「ボクも連れて行って」
「はぁ?」
理由は後で話すからと言うことで、俺は流歌を部屋へ連れて行くことにした。
今日初めて会った普通(?)の女の子を自分の部屋に入れるなんて普通はしないことなのだが、どうしても流歌を放っておくことが出来なかったのだ。
「狭いね…」
そして、部屋に来ての第一声がこれだ…
アパートなんだから仕方のないことだし俺は学生だ…
そんな立派な所に住めるわけがなかった。
「なんでお前にそんなこと言われないといけないんだよ」
「あっ…ゴメン…」
「そんな事より理由を聞かせろよ」
「ここってお風呂ないの?」
流歌は俺の話を無視して、人の部屋を勝手に調べ回っていた。
「人の話を聞け!」
「えっ…?」
「えっ…?じゃないだろ!お前が理由を話すって言ったんだろうが!」
「あぁ…そうだったね」
本気で忘れていたのか…
それともただの天然なのか…
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