プロローグ

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父親がそんなことを自分に言うのは初めてだった。 誕生日になっても何も買ってくれない。 そんな父親が自分に優しい。 ジンはたまらず嬉しくなり、元気よく頷いた。 町中を歩いているとき、ほしいオモチャや食べ物があると帰りに買ってやると言われた。 この町で一番美味しいクロワッサンを一つだけ買ってもらった。 夢なら覚めないでほしい。 ジンは父親の手を握った。 町を出ても二人は歩き続けた。
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