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『病める時も、健やかなる時も、愛し続けることを誓いますか?』
「はい」
静かな教会に、彼の低く落ち着いた声が響く。
やめて。
お願い、やめて。
『それでは、誓いのキスを』
彼と花嫁はゆっくり向き合い、花嫁の顔を隠していたヴェールをあげる。
…お願い。
私の心の叫びも虚しく、二人は神の前で、永遠の愛を誓うキスを交わした。
その瞬間、私の恋は終わりを告げた。
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