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「だってさぁ…私が死んだ後、あなたまで死んじゃったら、私の行くところが無くなっちゃうじゃない!」
俺の目をしっかり見つめながら、俺の言葉を待たずに彼女は淡々と喋る。
「私は、死んでもあなたの傍にいたいの。毎日あなたの傍にいて、あなたの顔を見ていたいの。寝るときはね、今までと同じようにあなたの右側で寝るの。あなたの右腕を腕枕にして寝るの。あなたがバイクで出かけるときは、あなたの後ろに乗るの。でね、毎年、あなたと桜を見に行くの。」
そこまで言って、寂しそうな顔になる彼女。
「…迷惑かなぁ…?でも、頑張ってあなたの迷惑にはならないようにするから…。」
彼女の目には大粒の涙が溢れていた。
俺は、返す言葉が見つからない…。
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