春、桜の頃に。

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胸に ちくりと痛みを刺されて 一つの想いが 終わると知る   春の木の下 雪解けの風   急に 置いていかれたような 心細い 星みたいになる 自分のすべてだと思っていた たった一つのものが消えてしまった   なのに 私はまだここにいる 私を形づくっていたものは それだけではなかったのだと気付く   それは今の自分には 切なすぎる真実で   深呼吸する度に涙がこぼれる程     体全部で静かに泣いた
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