～ワールドエンド Ⅱ～

1.異世界にて訓練中

「あんたの目付きって、ほんっっっとうにエロいッスね！」

「はっはっはっ！　そんな拳では当たらんぞフォーンベルト妹よ！」

場所は異世界のとある訓練施設内にある、ローマのコロッセオの様にお椀型になった闘技場。
そこで全体的に赤い出で立ちをした白人女性と、深い緑色の軍服のような物を纏った男性が模擬戦、もとい女性からの一方的な攻撃を男性が笑いながらさばいていた。

女性というのは言わずもがな、ワールドガーディアンズ日本支部第二教導部隊所属の近接アタッカー、レイティ＝フォーンベルトである。

透き通るような白い肌に肩までの金髪、青い瞳を持つ美人の部類に入るであろう女性であるが、その目は今は憎々しげに目の前の男性を睨んでいた。

そして男性の方は……

「フォーンベルト妹よ。その程度で私を倒す等と言うのか。
はっはっはっ！　笑止！」

獅童 飛燕（シドウ ヒエン）
東洋人であり、茶色掛かった髪はオールバックになっていた。

さて、彼が誰かはこう言えば解りやすいだろうか。
ワールドガーディアンズ日本支部第一機動戦闘部隊リーダー兼第二教導部隊特別コーチの一人。
第二部隊の女性に総じて『セクハラ親父』と呼ばれる人だった。