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何故レイティと獅童がこんな状態の模擬戦をしているのか、それは意外と簡単な訳だった。
一時間前……
その日、海は学校から帰ってくると結衣、夏美と共に千堂に転送室に集められていた。
「さて、少年たちの試験も終わったことだし早速異世界に行くぞ」
先日決まった、魔導大学受験生となった祐司のついでとして海たちも鍛えてもらうというプラン。
当初は直ぐにでも行く予定ではあったのだが、「期末試験がある!」との海、結衣、夏美の希望により試験が終わるまで延期されていたのだ。
ちなみに高三の祐司も当たり前に試験はあったのだが、結果は……全く勉強していなかったため解りきっていた。
「それでは、宜しく頼む」
そう千堂が言ったとたん海たちの足元の魔方陣が光始め……
「えっ! わわわわっ!」
まだ転送に慣れていない結衣の驚き声と共に海たちは異世界へと転送された。
「っと!」
「……わふっ」
「いった!!」
結衣だけが尻餅をつき海と夏美が何とかバランスを取って到着した場所は、日本支部にあるのと何ら変わりの無い白い部屋だった。
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